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地産地消をランドスケープの現場から〜足元に眠る宝石

こんにちは、いつもありがとうございます。今回はランドスケープデザインにとって根っことして言われていることを考えたいと思います。

では、

ランドスケープの地産地消

今日は、少し小さなお庭をデザインしていたのですが材料を選定するのが一つ難しい点があります。タイトルにもある通りランドスケープデザインであったり、お庭、ガーデンデザインの際には「近くのものをなるべく使うようにする」という根本的な哲学としてあります。まさに地産地消ですよね。作るその場の近くにあるものを使うのは、カーボンフットプリントの点から運送などのエネルギーを減らしてエコロジーであるのはもちろんのこと、またその土地の気候に合っていて風景に馴染みやすいってことがあるんですよね。

海外のコンペの応募にて

先のコンペに出したデザインも、「どのような資材を、なぜ使うのか」もジャッジの書類に記載しなければいけませんでした。輸出、輸入の大国であっても、そのことが問題になっているのですね。

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輸入材の背景

ですが、日本では2000年代のガーデニングブームでの外国産のものの憧れの上昇、とバブル崩壊からの経済の衰退によって、日本国内で作っているものが減りました。最近では、晒し竹ですら中国産です。最初は石材からきたような気がします。また、その頃から大きなランドスケープの工事が多くなり石材の潤沢な外国からの輸入に頼らざるをえない状況になったような気がしています。

資源の少ない国だから

また、いまの日本では、住宅建築の場合では輸入木材などを使うのが当たり前になっていますから、お庭もランドスケープも諦めなければいけないのかも知れません。「資源が少ない国だから」となってしまえばそう諦めるのも簡単なのですが、なんとか地産地消の考えにそったデザインを行いたいところ、そのためには普段から私たちの目を鍛えなければいけません。

属性のない素材

アスファルトやコンクリートは、その場で練って作るのでその点はある程度サスティナブルであると考えてもいいのかも知れません、また世界的にもどこでも目にするものなので一旦、地域の属性や表情のないソリッドな素材になるでしょう、私たちがよく使っているコールテン鋼などの金属板も日本で作られていてしかも地域性の出ないソリッドなものなので良しとします。

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石材の色

私にとって一番気になってネックに思っているものが石材ですね、バブルごろからもう東南アジア系や中国産のものが多くなってきていて、もうどれが日本のものか地域の産出されたものなのかがわからなくなって来ています。ガーデニングブーム以降、ヨーロッパのものも増えました。

自分からみた消費傾向

消費者から考えたら、外国の名前が付いている方がなんだかオシャレに感じるかと思います。私だってこの記事を書いているのはMacBookだし、電話はiPhoneだし、タブレットはKindleだし、髭剃りはフィリップスだわで、外国かぶれでワヤです。

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足元に眠る宝石

脱線しましたが、先日行った観光庭園にてその地産地消的な考えをしっかりと実現している造園家さんのテーマガーデンが時を刻んでより良い雰囲気をかもしていて、しかも価値観が上がっていたような気がしました。

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そのガーデンはその場で採れる石を使って積み上げて、そこに座れるようにデザインしてあり、足元にはその同じ石を貼ってあるんですよね。ただそれだけのガーデンで、一般的には「えっ、庭なの?」ってなる方も多いのですが。作ったこともわからないぐらいに馴染んでいて、でも近寄ったら「あ、人が作ったよね」ってぐらいの雰囲気を出せるのがもう天才の域なんですよ、あくまでもぼくの感想なんですが。

出典:
EARTH GARDEN | 十勝千年の森ガーデナーズ -Tokachi Millennium Forest Gardeners-

影響され実践していること

私はこれまでそれに影響されて、またその造園家さんのそれ以外のデザインにかなり影響されているのです。著書も何度も読みました。性格的には、全然違うのですがスピリットは受け継ぎたく思っています。
例えば私の場合は、このお庭のこの部分とか。

出典:
雑木繁る茶花の庭 | Kino Garden Project Co. /木野花園計画

この場合は地域の産品として枕木のサイズに加工されて害のない防腐処理されたカラマツの木材があるのでそれを使って少しポップにした感じです。

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発見と気づき

先日、砕石の会社の方からいろんな近くの場所の石を見せていただき素敵な風合いの石もあって、出会い、気づきがありました。かつての植治も石材を見つけ出して、お庭界のトップスターになったとの歴史があります。足元にある宝石をしっかりと見極めて、適材適所に使いこなせるデザイナーになりたいと思います。

また、そうなって地域ごとの色もはっきりと違うランドスケープをデザインしていきたいものです。

では、こんなところで

したっけ!

木洩れ日の庭で

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