2021年3月22日更新
こんにちは、いつもありがとうございます。
ランドスケープデザイナーをしている柏倉一統(おはなうえるくま1号)です。
こんにちは、いつも読んでくださりありがとうございます。
メドウガーデンって知っていますか?
最近では、ガーデニングが好きな方であれば聞いたことがある言葉かと思います。
では、メドウガーデンってなんでしょう。
また作り方は?
そんな、疑問にも少しお答えするように今回の記事を書いていこうかと思います。
では、本題へ。
目次
メドウガーデンとは
メドウガーデンは英語で書くと
Meadow Garden
になりまして、ストレートに訳すと
草原の庭
ってことになります。
メドウガーデンのはじまり
メドウガーデンの始まりは定かではありませんが、1950年代にアメリカのランドスケープアーキテクトがガーデンの設計の際に Meadow とエリアに書いてあるのを見たことがあります。
その資料は、現在手持ちになくてちゃんとしたエビデンスにならないのですが、ここ最近流行っていいるように感じても、意外にも50年くらい前からガーデンに草原を作ろうとする試みはあったのだと読み解けます。
当時のメドウといっても、今のヨーロッパ方面のメドウガーデンのデザインではなくて、牧草地のような伸ばした芝地のようなイメージかも知れません。
その僕がみた設計図は、おそらくハーバード大学の建築系の棟に行けば保存されているかと思います。
その風景はおそらく、こんな風景かと思います。
現在のメドウガーデン
現在のメドウガーデンは、イギリス、オランダのデザイナーの影響をうけたものが中心となっていますね。
北彩都の設計の際は、ピエット・オウドルフ(Piet Oudolf)さんの手法を使ってデザインがされているそうです。
十勝千年の森さんは、ダン・ピアソンさんによるメドウガーデンですね。このエリアにもちゃんとタイトルがあって、「メドウガーデン」となっております。
作り方
では、作り方を
条件の判断
メドウガーデンを作る場所の特性を知る
メドウガーデンを作る場所は、基本的に日当たりの良い場所であることが多いです。
なので、そもそも林であったりすると、それを生かしたガーデンにした方が良いです。
草原をイメージするので、鬱蒼とした樹木が生い茂る中に作るのは、ちょっと違う雰囲気ですよね。
メドウガーデンを魅せることができる面積の確認
僕の実際の仕事の体験なのですが、メドウガーデンを作ろうと思ったらガーデンの中に最低限20㎡の植えるエリアが連続して3ヶ所くらいないと、メドウに見えない、もしくは草原として成り立たないかと思います。
なので20㎡の植える場所 × 3エリア + 園路など
= おおよそ、100㎡
と考えるととても広い面積が必要ですね。
植栽設計
本来、メドウガーデンを魅せるようにデザインするために植栽以外の設計も大切なのですが、今回はメドウガーデンの特色を出すために必要な植栽だけについて書きます。
骨格を決める
骨格を決めるというと、とても難しく感じますが、骨格とはプロポーションの強目の植物を先に配置するということになります。主に使うのがグラス(イネ科植物など)類や低木になります。
株をまとめて大きな塊を配してもいいですし、細かく一株づつデザインしても構いません。
地球上に被覆している植物の70%はイネ科植物だと言われているので、草原のイメージを作るのにはイネ科植物の持つ力は大事になってきます。
お花を決める
次に、お花を選びます。
その作る場所の空き地などを参考にしてお花を選ぶと間違いがありません、そ場合はなるべく帰化植物であるのか自生種であるのかの判断も必要です。
その植物を園芸的に置き換えると、植物の選択が楽になります。
この時に花の色合い、季節、形にも気をつけて選びましょう。
お花の形というのは、背丈もそうですが、お花一つ一つの形状もあります。マーガレットのように咲くもの、尖った穂のお花になるもの。お花の形が似通ったものが同じシーズンに隣合わないようにするのがコツです。
お花は繋ぐものも
骨格とお花が決まっても、多くの人ができないのが。合間を取り持ってくれる小花の植物の選択になります。
製図の方法
どんなプロでも、一枚の図面に全てを書き込むのは困難になります。
なので、図面をレイヤー化し季節で分けたり、骨格で分けて書く必要があります。
トレーシングペーパーを使ってまずは手で書いてみるのがオススメです。
参考にしたい本
英語のほんですが、地比類の植栽設計の具体的な方法が書いてあります。
まとめ、ただの草原ではない
今回の記事をおさらいすると
となりました。
そこで3つに絞ると、
-
まず大事なのはメドウガーデンに適した場所であるかの検討
-
植生を調べて、植物の選択
-
実際のデザインを四季、骨格で製図、検討
のような順になります。
ぜひやってみてください。
メドウガーデンが流行りだしたのは、1980年代の頃に「エコロジーの観点から宿根草を用いてガーデンを作りましょう」そんな運動からが発端で2000年代にそれがピークになり、今の状況になりました。
エコというのは、ガーデンを作ったり維持したりする際に、水やりをしない、大量に肥料をあげない、一年草で年に何回も植え替えしない。などのことになります。
ここで根底にあるのが、サスティナブル、持続可能な庭づくりになるかと思います。
メドウガーデンから派生した、ニューペレニアルプランティングとか、プレーリープランティングなんて言葉もあります。
どちらも、人工的に作るのだけれども自然の風景を模して人間にとって理想的な場を作るの手法です。
どんな場所でも、ほったらかしにしたら。本来のメドウになります。
ですが、本来のメドウになってしまったら人の住む場所には適してしません。
ちょっとの管理で思想的な草原の風景にするのがメドウガーデンの醍醐味ですね。
僕は、そう思います。
では、したっけ!
(「したっけ!」=北海道弁で「またね」の意、だが本当に使っている人はごく少数で北海道の西部にまれに見られる)
チェルシーフラワーショ−2019「漢方の庭」皆様の多大なるご支援をいただきましたこと、誠にありがとうございます。
このブログを書いている人:ガーデンとランドスケープデザインの株式会社キノ花園計画 柏倉一統
Kino Garden Project Limited /株式会社キノ花園計画 | ガーデンとランドスケープデザインのキノ花園計画
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